’18/01/23 草津本白根山噴火に遭遇して
投稿日:2018.01.25
草津本白根山(2171m)
1月23日BSフジ「絶景百名山」の番組製作でガイドとして参加しました。
と、書きたいところですが・・・
ご存知の様に本白根山が突如として噴火、番組製作は中止となり
23日に撮影された映像はスクープ映像としてテレビ放映されました。
噴火情報を耳にしたり放送を見た多数の皆様から私の安否確認のメールや電話を頂きました。
皆様にご心配をお掛けした事を心よりお詫び申し上げます。
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23日の噴火から2日間が経とうとしております、
自分自身の中では書く事に様々な葛藤が有りますが
貴重な体験をした者として記憶が鮮明なうちに書き残して置かねばとの結論に至りました。
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08:30
天候は前日関東地方に大雪を降らせた南岸低気圧も移動し時々太陽も顔が顔を出す。
しかし、日本海の低気圧が東に移動し昼前後から冬型の気圧配置となり風雪が激しくなる模様。
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撮影スタッフと草津スキースクールにて顔合わせと打合せ。
私を含めて総勢6人。
私の関係する撮影は2日間の予定、
23日は本白根山エリア、
24日は湯釜の有る白根山エリア。
(24日は大荒れ情報あり、撮影不可能の場合は後日)
撮影スタッフの中に偶然にもガイド仲間の渋沢さんが、
2年ぶりの再会です心強く嬉しい限り。
出合のシーンを撮影してシャトルバス乗り場へ移動。
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09:35
シャトルバスに乗って白根火山ロープウエイ山麓駅へと移動。
車内は平日なので我々含め15人程度の乗客。
車内にて撮影
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09:45
山麓駅に到着。
ロープウエイ乗り場、順番待ちは4~5人。
乗車場所にて撮影
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09:55
白根火山ロープウエイ、ゴンドラ乗車。
2台のゴンドラに分乗、私は前のゴンドラに乗車。
ゴンドラ内で撮影
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09:59
「噴火」
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本白根山エリアマップ【本白根山エリアマップの説明】
A:噴火時のロープウエイ停止場所(推定)
B:ロープウエイから見た噴火口(推定)
C:山頂駅レストハウスより見た噴火口(推定)
D:特徴的な2115mピーク
E:今回予定していた撮影ルート
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10:09
最初、噴火口から上がった噴煙も目撃した時
死を覚悟した。
周囲は真っ暗な噴煙に覆われゴンドラの屋根を激しく叩く噴石の雨。
しばらくすると周囲が見渡せるように、
停止したロープウエイより噴火口方面を見る。
(エリアマップ:AよりB方向)
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左下は振り子沢コース
樹木、雪が黒くなってる。
(エリアマップ:Aより草津町方向)
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10:25
ロープウエイ、動き出す。
振り子沢コースは噴石と火山灰に覆われている。
(草津町方向)
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振り子沢コース上空
下りのゴンドラ、窓に噴石の直撃と思われる大きな穴が
(草津町方向)
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振り子沢コース上空
雪が積もっていたとは思えない別世界の景色となってしまった。
表面には噴石による大きな穴が何十、何百箇所も・・・
クレーターの様に・・・
(草津町方向)
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清水沢コースではスキー場パトロール隊による懸命な救助作業が行われていた。
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ロープウエイ山頂駅手前より清水沢コース
噴火口(エリアマップ:B方向)をみる。
白い噴煙が上がっている。
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10:40
白根火山ロープウエイ、山頂駅到着
山頂駅は停電、送電ケーブルが噴石により切断されたようだ。
観光公社職員の誘導で地下へ行こうとするも
地下への階段が混んでるので階段降り口付近で待機
各自に飲み物が配給される。
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11:30
渋沢さん(左)とツーショット
梅ちゃん(私)鼻水垂れてるよ~
暫時、山頂レストランへ移動。
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11:40
山頂レストランより見る
中央奥のピーク(エリアマップ:D方向)
ピーク:Dの手前の稜線から噴気が確認された。(エリアマップ:C方向)
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12:00
各自にスナック菓子が配給される。
山頂レストラン、噴石が屋根・天井を貫通していた。
(2か所)
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その貫通した噴石の1
(暖房機上部の天井貫通)
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その貫通した噴石の2
(食器返却口上部の天井貫通)
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13:00
草津町担当職員による状況説明
1:救出に向かってる状況
2:救出方法
等の説明
この時点で山頂駅に退避している人数は80人前後
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待機中の団欒
各自の行動食とお湯を持ち寄りで談笑のひと時を過ごす。
テーブル一杯の行動食
さすがです!
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14:40
20~30分ほど前から下山が開始された。
待機している皆さんは落ち着いて順番を待っている。
草津町職員・消防の皆さんの適切な情報伝達が良かった。
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16:00
ここに退避している人もあと僅か
私達を入れて15人前後
私達ももうすぐ下山。
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16:30
山頂駅レストランより下山開始
徒歩にて山頂駅の急斜面を下り
スノーモービルに乗車
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17:00
白根火山ロープウエイ山麓駅、青葉山レストラン到着
群馬DMATスタッフからトリアージを受ける。
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私のトリアージタグ
初体験
感慨無量
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17:25
青葉山レストラン出発
天狗山レストハウスへ
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17:40
天狗山レストハウス到着
報道陣に囲まれ、コメントを求められる。
テレビの中の出来事が今は自分が中心にいるとは・・・
一言、コメントを発すると何倍もの質問が返って来る。
だんだん周りの報道の人数も増えてきた。
「失礼ですがお年は?」
一番避けたい質問だ・・・
早々に切り上げて草津スキースクールへ戻りたい。
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18:00
朝、出発した草津スキースクールに五体満足で戻った。
校長、副校長、主任に挨拶と報告。
「無事に帰って来て本当に良かった」と
校長から言われ涙が出そうになった。こらえた。
ご心配をお掛けして申し訳ありませんでした。
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18:30
私とスタッフ、草津スキースクールから帰途に就く
これから何処へ?
当然の様に呑みに行きましょうと話がまとまりました。
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19:30
と、言う事で
知る人ぞ知る「チャイルド」に
呑んで、食べて、話して和気藹藹のひと時が
夜遅くまで続いた事は書くまでも無い事!?
「キンギョ」如何でしたか?
番組スタッフの皆さんお世話になりました。
また機会が有りましたらご一緒したいです。
長かった一日
お疲れさまでした。
良かった、良かった、生きてて
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教訓
どんな山でも「ヘルメット」
忘れずに!!
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最後に
草津スキー場パトロール隊の皆さん
草津町、草津観光公社、消防、警察、自衛隊、群馬DMAT、関係者の皆さん
本当にありがとうございました。
(文責 梅澤 栄)
(不許複製)
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